骨董品買取の東京古物 買取事例

雰囲気のいい苔庭と木々に囲まれた和洋折衷の玄関。
小ぶりで握りやすい真鍮製のドアノブを回し、ダイガラスの入った木製のドアを開くと、
まず目に入ったのは足元一面に丁寧に敷き詰められた、小さくてカラフルなタイル製の土間でした。
真っ白な漆喰の壁に、長い木の廊下。奥行きのある静かな平屋で、昭和9年の建築だそうです。
その昔は一部を診療所としても使っていた時期があったらしく、どうりで洒落た造りのお宅です。

しかし残念なことに解体が決まり、このお宅ももうすぐ取り壊されてしまうのだそう。
屋内にはまだ色々な物が残っており、昭和30年代頃の応接セットや食器棚、回転式の木製診療椅子、書斎に眠っていた昔の観光地絵葉書、掛軸、古いマンドリン、ブリキのお皿、ホーロー製のバット、三菱製扇風機、古眼鏡、写真帳などなど。古道具類を中心にいろいろお譲りいただきました。

出張買取で古いお宅にお邪魔させていただくと、肝心な買取品よりも建物に興味が沸いてしまうことが稀にあります。やっぱり、昔の日本建築って素敵だなぁ。
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